LPガスについて

LPガス(LPG)とは「Liquefi ed Petroleum Gas(液化石油ガス)」の略称で、プロパン(C3H8)やブタン(C4H10)を主成分とするガス体エネルギーです。特に主成分がプロパンの場合は「プロパンガス」とも呼ばれます。

LPガスは通常は気体ですが、圧力をかけたり冷却することによって比較的容易に液化させることができます。例えば、20℃の状態ではプロパンで0.73MPa(約7気圧)、ブタンで0.11MPa(約1気圧)の圧力をかけることによって、また大気圧下において温度をプロパンで-約42℃、ブタンで-約0.5℃まで下げることによって液化させることができます。

LPガスを液化させると、体積は気体時の約250分の1に縮小します。これにより小型の容器にLPガスを液体で充てんし、大量のエネルギーを全国津々浦々まで効率良く供給することができるようになります。この意味でLPガスは、可搬性に優れた分散型エネルギーであるということが言えます。

ちなみに都市ガスの主原料である天然ガスは、-162℃まで冷却しないと液化しないため、主として導管を通じて気体の状態で供給されています。そのため供給可能な範囲は一般的に導管が設置されている領域に限定されています。

LPガスの組成
LPガスの組成
状態変化に伴う体積の変化
状態変化に伴う体積の変化
全国津々浦々まで供給
全国津々浦々まで供給

都市ガスは、地域によってさまざまな種類のガスがあり、同一の消費設備や器具が使用できない場合がありますので、転居などの際には注意が必要ですが、家庭用LPガスは、日本全国いずれの地域においても同じ消費設備や器具を使用することができます。なお、それぞれの発熱量、比重は表のとおりです。また、供給形態が違うため、LPガスは災害時の復旧にかかる時間が短いのです。 *都市ガスの原料の天然ガスは炭素が1つのメタン(CH4)が主成分で、比重が空気より軽く、液化するには-162℃に冷やす必要があります。